市場の値動きを見ていると、「これって一定の周期性があるのかな?」と思う瞬間はありませんか?
この値動きの周期性、エクセルの機能(+分析元となるデータ、本記事ではTrading View由来)を使えば簡単に分析できてしまうんです。
今回は、分析手法「自己相関分析」とそれをもとに描かれた「コレログラム」について紹介します。
自己相関分析について
まず、自己相関分析について説明します。
通常、市場における相関分析は、A市場とB市場の値動きを同時系列で比較して分析するもの*
です。
これと比べて、自己相関分析は、
「自己データの時系列をずらし(ラグ)、加工前元データと比較して相関関係を調べる」分析手法となっています。
以下は元データとラグの例です。
データ日時 | 元データ | ラグ1 | ラグ2 | ラグ3… |
0期間前 | 10 | |||
1期間前 | 9 | 10 | ||
2期間前 | 8 | 9 | 10 | |
3期間前 | 7 | 8 | 9 | 10 |
4期間前 | 6 | 7 | 8 | 9 |
5期間前 | 5 | 6 | 7 | 8 |
6期間前 | 4 | 5 | 6 | 7 |
7期間前 | 3 | 4 | 5 | 6 |
8期間前 | 2 | 3 | 4 | 5 |
9期間前 | 1 | 2 | 3 | 4 |
10期間前 | 0 | 1 | 2 | 3 |
このように、元データの期間を1期間ずつ前にずらしたものを並べ、元データとの相関を測ります。
上図の場合は、元データ自体が完全に等間隔で数値が増えているので、どのラグと比較しても相関係数は1となります。
一方で、市場値動きのように、どこかのタイミングで落ちて、また再上昇して…という動きがあり、それに規則性がある場合、特定の「ラグ〇」にのみ元データとの強い相関性が現れる、ということです。
*過去、クロス円、クロスドルの相関分析を以下記事で実施しています。↓
コレログラムについて
続いて、コレログラムについてです。
難しそうに言っていますが、要は「元データとラグ1~xの相関係数を棒グラフにしたもの」です。視覚化してどこに相関が強く出るのかを見る、というだけですね。
ここからは実際のドル円4時間データを例に見てみましょう。
以下のようにドル円4時間データをTrading Viewから引っ張ってきました*。

1期間(4時間)ずつ前にずらす形で、ラグ10までコピペしました。
ここからの分析手順としては、以下の通りです。
- 5/10 14:00(ラグ10のデータがここから始まるため)~データの末尾(見切れてます)を分析データとする
- CORREL(元データ列,ラグ〇列 )関数で相関分析
- 相関分析結果を棒グラフ(コレログラム)化
結果、以下のようにコレログラムを描画できます。

(あくまでお試しで引いてみたのですが、ドル円直近の強い上昇のためか、あまりに強い相関係数となっています。再検証し間違いがあれば訂正します。)
また、後日本分析方法をもとに各通貨ペアのサイクルを分析する記事をまとめようと思います。
*Trading Viewのヒストリカルデータ出力については以下記事でまとめています。
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