「トレンドに乗ったトレード」を考える上では、普通人間心理的に認めがたいところでエントリーをすることが必要、とされます。
例えば「日足が大陽線を付けた翌日に買いでエントリーする」など。
「昨日そんなに上がったら次の日には下がるだろう」と思うのが自然ですが、その思惑に反して価格は再上昇したりするところを取るルールが勝つこともあります。
今回は「昨日値上がったら(値下がったら)、今日も値上がる(値下がる)」ということが統計的に確認出来るか?ということを検証します。
もし相関関係が確認できれば、昨日値上がった時、今日買エントリーで入りやすくなりますよね?
昨日の値動きと今日の値動きはほぼ関係がなかった
と、まあ目次でいきなり結論なのですが、昨日の値動きと今日の値動きの相関はほぼ0でした。
以下検証通貨ペアと結果、検証方法等についてです。
検証通貨ペアと結果
USDJPY | EURJPY | EURUSD | EURGBP | EURAUD | GBPJPY | GBPUSD | GBPAUD | AUDJPY | AUDUSD | |
相関係数 | -0.008 | 0.001518 | -0.01655 | 0.01364 | 0.004666 | 0.049768 | 0.020031 | 0.013681 | 0.002087 | -0.01453 |
なお、散布図の形でも結果添付します。(ペア多いのでドル円だけ)

検証方法
検証方法は以下の通りです。
- 各ペアの2012/3-2022/3日足データ(終値ー始値⇒スプレッドと呼ぶ)を抽出(2596日分)
- 当日(N日)と翌日(N+1日)間の相関係数を検証
- 例 1日目:始値115円/ドル、終値115.3円/ドル →N日スプレッド0.3円
- 2日目:始値115.3円/ドル、終値115.6円/ドル →N+1日スプレッド0.3円
- 相関係数が正で1に近づくほど「昨日値上がった分、今日も同じくらい値上がる」と言えた
単純に昨日の値動きだけ見ても通用しない
相関係数がほぼない、という結果を踏まえ、ざっと理屈付け+次に向けた推論をしてみる(ただの理屈付けで「正しい」とも「間違っている」とも思いませんが)と、
- 一方通行な値上がり、値下がりは(チャート上目立つだけで)ごく一部分で、それ以外は「上がっては同じくらい下がって元の位置に戻る」を繰り返している
- 逆に、常に「上がっては下がる」わけでもなく、一方的に値上がり、値下がりする日も同じくらいある(⇒もし常に上がった翌日下がっていたら負の相関係数が見られるはず)
- ⇒「昨日の値動き」に関連付けたトレードをしたいのであれば、さらに何らかの条件付けが必要
- ⇒「一方的に値上がる時」と「値上がっては下がるとき」の場合分けをする必要がある(ダウ理論、フィボナッチ…etc)
ということが言えるかなと思います。
今日はここまで。
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