今日のテーマは何かと言いますと、重要指標の影響についてです。
FXのアプリでは、指標について予想付きで通知してきますが、これは実際、マーケットにどういう影響を与えているのでしょうか?
例えば、一番有名なところで、米雇用統計(非農業部門)が挙げられます。今回は2021年度上半期の米雇用統計について分析してみました。
結論
2021年度上半期の米雇用統計について、今回短時間(5分、30分)足で分析してみたところ…
- 予測に対する結果がポジティブなら、ドル高、ネガティブならドル安方向に価格は動く。
- 予測と結果の乖離度合いに関わらず、発表直後は価格が大きく動く。
- おおむね発表後5分以内に価格は動ききってしまう。
ざっくりいって上記のようなことが分かりました。
データにするとちょっと見づらくなってしまいましたが↓のような感じ。

雇用統計の日時、予測、結果についてはみんなのFXさんのページ(https://min-fx.jp/market/indicators/)から引用させていただきました。
考察
上記のデータでは、いくつかデータを区切って拾ってみましたが、それぞれを組み合わせると以下のようなことが見えて来ます。
- 予測と結果の差に対して生じる印象の通りに、おおむね素直に価格は動いているよう。
- 5分足と30分足(直後5分足+その後5本分の5分足)を比較すると、おおむね30分足の方が価格は伸びているものの、直後の5分足の伸びに比べれば微々たるもの。⇒ほとんどの価格変動は5分以内に起こってそう。
- 直後の足と、前20MAの価格変動率((高値ー安値)÷終値)を比較すると、5分足だけでなく、30分足レベルで見ても大きな値動きが起きている。
- 終値ー始値と高値ー安値を比較すると、足によってまちまちだが倍近い差をつけている足もある。(つまりデカいヒゲが出ているということ。)
これらから、実際にエントリーする際に注意するべきポイントも見えて来そうですね。例えば…
考察①:5分、30分足(あるいはもっと長い足でも)でのテクニカル分析上の根拠を用いて、雇用統計発表前にエントリー、ストップロスを置くと、雇用統計発表直後の価格変動で強制的に損切される可能性が高いのではないか。⇒重要指標前はポジションを手仕舞え、といわれるのはこのためか。
考察②:5分足の短い値幅でストップロスを置き、雇用統計発表前にポジションを持てば(価格の方向はヤマカン)、5分でリスクリワードが数倍~数十倍となるトレードが出来るのではないか。
考察③:発表の通知を見る⇒ロット数を決める⇒エントリーを行うという作業に数分以上かかるのであれば、雇用統計の結果を見てからトレードでは利益は出ないのではないか。
というようなことが思いつきそうです。
こんなに短時間で動きが起こる理由について、嘘か誠か、誰も検証しようのない話ではあるのですがHFT(高頻度取引)が一部には影響しているのだと、個人的には考えています。重要指標のファンダメンタル的評価は、アルゴリズムが即座に実施し、トレードまで数ミリ秒で実施してしまう…もしそうだとしたら個人トレーダーはヤマカンを張るしかないですよね。
ダウ理論の中には、「ファンダメンタルは既に市場に織込まれている」というものがあります。それもまた、嘘か誠か、個人では検証しえない話ですが、少なくともこの雇用統計直後の値動きはファンダメンタルが市場に反映される動き…というよりかは出た結果を見てみんなで騒いだ結果、という感じがします。
まとめ
今回は米雇用統計を代表例として指標発表直後の影響を見て来ました。
個人的な感想としては、重要指標にだけフォーカスしてヤマカンで張りにいかない限り、こんなもの利用しようがないな…という印象ですね。
日足レベルの値幅でストップロスを置いていても、損切られかねない価格の動き…これからは重要指標の前にはエントリーしないようにしようと思います。(ポジション持っちゃっている場合は別。)
皆さんはどうしますか?
ではまた。
コメント