コストプッシュ型インフレの行きつく先【メモ】

日記/メモ
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今回は、Bloomberg記事からの引用と学びのメモです。

今回のBloomberg記事

インフレ高進で市場は混乱、投資家に隠れ場所見当たらず(以下、引用記事と呼称)

引用記事ではインフレ、利上げに関する投資パフォーマンスについて触れられています。

この記事を参考に、現在起こっている経済の流れについてメモとして整理します。

伝統的投資商品とコモディティ

株価が下落し、債券はこの数十年で最も大きな損失に見舞われる中で、消費者物価の高騰は今年に入り、金融市場に利益をつかむ幾つかの避難先を提供していた。原油価格は大幅に上昇し、他の商品価格も同様の動きを見せた。住宅価格と賃貸料の上昇は不動産セクターを下支えした。

ー引用記事

まず、将来不景気が予測される場合には、

  • 伝統的投資商品(株式、債券等)が値下がり、運用利回りが低下する
  • コモディティ(エネルギー、資源等)が値上がりする

と価格が推移するのが基本です。

企業(ひいては国家)の投資活動が停滞、成長が減速するため、ここから投機マネーが退避し、需要が堅く在庫、供給に限りのあるコモディティへと移行していきます。

今年のマーケットにおいてはインフレが進む一方で、コモディティ(原油)や、同じくインフレヘッジの性質がある住宅投資が、伝統的投資商品よりも良いパフォーマンスを挙げていたということになります。

コストプッシュ型のインフレ

一方で、順番が前後しますが、今起きているインフレについて考えます。

元をたどればコモディティ(エネルギー)の値上がりによる、コストプッシュ型のインフレが世界各国で起きています。

WTI 2022/3には一時130ドル台を付けた

ロシア紛争、あるいはそれ以前よりも前から原油は値上がりを続けてきました。

原油等、様々な化学製品や燃料のもととなる原料が値上がりすることで、企業が提供する製品・サービスの原価が上昇します。企業は原価値上がり分を自社でため込み利益を圧縮するか、またあるいは消費者に転嫁しインフレが発生します。

このコストプッシュ型のインフレは原油等輸入側にしてみればいいことなしです。

生産される財の総量が変わらないのに価格だけが押し上がるので、実体の経済は何も成長していません。経済成長の伴わないインフレは単純にその国家の通貨価値を減価させることになります。

No.356 コストプッシュ型のインフレをどうみるか DBJ(日本政策投資銀行)様

インフレ退治=利上げ政策

経済成長の伴わないインフレは、同じ財を求めて取引されるお金の量だけが、企業⇔労働者(家計)のお金のやり取りを経て延々と膨らんでいくという結果に行きつきます。

現在各国政府は利上げ政策を取り、過熱するインフレを退治しようとしています。

フィッシャー方程式 野村証券様

期待インフレ率の上昇に合わせ、名目金利を引き上げることでなんとか実質金利を確保し、インフレを冷まそうとしています。

しかし、また同時に名目金利の上昇は、引いては企業の資金調達コスト(株主の要求収益コストor銀行等債権者の金利コスト)に乗っかってきます。

企業の利益率が現状のままとすれば、資金調達コストのみが引きあがるので、当然企業は減益することになります。そのため、株価は下がります。また金利も引きあがるので債券(社債、国債)の価格も下がります。

現状のまとめ

今年起きていることを、非常にラフに整理すると、

コモディティ高騰➡コストプッシュ型のインフレ➡各国利上げ(➡不景気)

となります。

引用記事に戻ってみると、

「既に原油、住宅価格も値下がりをはじめ、投機パフォーマンスはどうしたってマイナス」

と報告されています。

9月時点WTIは80ドル台

確かにもう一度原油(WTI)のチャートを見れば、既に9月時点で原油価格は下落傾向にあります。

こうなってくると、やはり最終的には現金の形で資産を保有することが良い状況になってきているのでしょうか。

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