今回は、「MACD」の弱点と対策についてです。
MACDについて
MACD(移動平均収束拡散手法)は短期の移動平均線と中長期の移動平均線を使用することで、買いと売りを判断する手法です。
ここで使用する移動平均線は通常の単純移動平均線と異なり、新しい価格のほうがより影響力が高いという考えから、新しい価格の比重を高めて計算されています。
MACDは基本となる線(テクニカル名と同じMACDという線)と、MACDの移動平均線であるシグナルと呼ばれる2本の線の推移でマーケットの判断をします。
auじぶん銀行様>チャートの見方>MACD
MACDは「MACD」、「シグナル」と呼ばれる2本の移動平均線を用いて、かつ、
- シグナル>MACDのゴールデンクロスが起こると上昇トレンド
- 1.の時かつ、シグナル>「0」だと信頼度高
- シグナル<MACDのデッドクロスが起こると下降トレンド
- 3の時かつ、シグナル<「0」だと信頼度高
という判断基準で運用するインジケーターです。
MACDの弱点

MACDの弱点は、以下の通りです。
- レンジ相場を把握できない(レンジ相場ではゴールデンクロス、デッドクロスを繰り返す)
- 長期トレンドを把握できない(長期的には上昇(下降)トレンドでも、シグナルは「0」を下回る(上回る))
シグナルのクロスに従い売買を繰り返すと、図中青丸のようなレンジ相場や、長期トレンドへの逆張りの際勝率が下がることになります。
原因と対策
MACDの弱点が生じる原因は、
- MACDの各数値はデフォルトでは、短期を参照している(MACD:12,26、シグナル:9が一般的)
ということにあります。
この原因への対策として、
- MACDのデフォルト設定期間をx倍した、「長期MACD」を参考表示する
という案が考えられます。

上図は例として、MACD(デフォルト)と長期MACD(デフォルトの5倍)を表示しています。
上図は、「長期的には上昇トレンドかつ一時的にレンジ、下降が発生する相場」です。
MACDは一時的なレンジ、下降に対して反応し、数値は0を行き来しています。
長期MACDは基本的に0以上の数値を取り、一時的なレンジ、下降の際はデッドクロスしています。
まず長期MACDの数値が0以上(以下)かどうか、シグナルの位置関係がどうかを確認したうえで、それぞれ方向性が合致している時、MACDの方で具体的なエントリーポイントを探っていくと良いでしょう。
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