今回は「モメンタムの意味」についてです。
モメンタムについて
モメンタムは、現在の終値とn日前の終値を比較して、その差がどれくらいあるかを表すオシレーター系指標です。現在と過去の価格差をグラフ化することで、相場に勢いがあるかどうかを判断することができます。
一般的に、モメンタムは「当日の終値-n日前の終値」という計算で単純な差を求めます。
~(中略)~モメンタムの値は、価格変動の勢いを表します。価格の上昇幅が拡大している場合はモメンタムが上昇し、上昇幅が以前と同水準になればモメンタムは横ばいに、そして上昇幅が縮小するとモメンタムは下降することになります。
ポイントは、価格自体が上昇していたとしても、上昇幅が縮小すれば、モメンタムが下降に転じるということです。この性質から、モメンタムは価格変動に先行して、トレンド転換を示唆するものと考えられます。
OANDA JAPAN様>モメンタムとは?言葉の意味や計算方法、ROCについても詳しく紹介
モメンタムは、〇日目終値ー(〇ーn)日目終値をチャート上に連続的にプロットし続けるだけの、非常にシンプルなオシレーター系指標です。
この指標の意味を解釈し、戦略に落とし込む必要があります。
モメンタムの意味
モメンタムが表す意味の一般的な解釈
上記引用元OANDA JAPAN様のページにおいては、モメンタムの数値の意味は、
- トレンド最中におけるモメンタム上昇・下降幅の収縮➡トレンド減速傾向
と分析するためものであると紹介されています。
これはオシレーター系指標に共通的な使い方である「ダイバージェンス」の考え方です。
この点において、モメンタムの使い方はRSIとほぼ同じであると言えます。(RSIは〇期間前の上昇幅と現在の上昇幅の差分増減する=モメンタムの仕組みと一緒)

上図の場合のように急伸後の利確タイミングを測る意味で、モメンタムを用いることは十分有用です。
長期間モメンタムが表す意味
上記の方法ではモメンタムに短期トレンドから離脱するための役割しか持たせられません。
一歩踏み込んで、モメンタムの期間を長期化して考えてみます。(Trading Viewのモメンタムはデフォルト期間10)

モメンタムが表している本質的なもの(トレンドの勢い減衰と転換)は変わらないものの、見えてくる景色が大分変りました。
上図は15分足で期間96のモメンタムです。これはつまり、モメンタムの値が「ちょうど一日前の終値と比べて+かーか」を表しているということです。

このモメンタムがーから+、+からーに転じる時、チャート上で何が起きているか見てみましょう。
上図の紫の水平線で示すように、「1日分前の終値を現在終値が上回って」います。
また、「その間には一日分の下降トレンドポジションが累積している」ように解釈できます。
モメンタムを使うことで、このようにトレンドの終局において一定期間分のポジションをため込み、トレンドが転換する瞬間を一目瞭然にすることが出来るのです。
上図左部のように、トレンドが顕著である(モメンタムの+の期間、-の期間が長く続くことと言い換えても良い)ほど、モメンタムの+ーが転じる意味が重要になってきます。
また一方で、長期間設定のモメンタムでも0近辺を行ったり来たりする場合は、レンジ相場が形成されていると見ることが出来ます。
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