商品市場における現物価格と先物価格の関係

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今回は、商品市場における現物価格と先物価格の関係についてメモします。

現物と先物について

現物と先物について、また現物買いと先物売りの仕組みについて簡単に説明します。

「現物を買い建て、先物を売建てる」というのは、商品や株などを買って所有することを「買い建て」と言い、未来のある時点で商品や株を売ることを「売建て」と言います。この二つを同時に行うことを「ヘッジ」といいます。

例えば、小麦を農家が作って、小麦粉メーカーが買いたい場合、農家は今の価格で小麦を売りたいけど、小麦粉メーカーは将来の価格も心配しています。そのため、小麦粉メーカーは小麦の価格が上がらないように、将来のある時点で小麦を買う「先物」を契約し、農家は小麦を「現物」として売ることで、将来の価格変動に備えることができます。

しかし、現物を買い建て、先物を売建てることが利益にならない場合があります。それは、先物より現物が高くなってしまった場合です。

例えば、あなたがリンゴを買って持っていて、将来のある時点でリンゴの価格が下がると予想して、リンゴの「先物」を売ることにしました。しかし、その後、天候不良などの影響でリンゴの「現物」の価格が急に上がってしまった場合、先物を売ることができても、現物の価格が高くなってしまったため、損をしてしまいます。

現物価格と先物価格の例

現物価格と先物価格に関して簡単な例を考えてみましょう。

・石油がt年初時点で、10,000円/1単位であった。

・石油先物指数が同じくt年初時点で、t年末(≒t+1年初)精算12,000円であった。

・A氏は現物価格と先物価格が乖離しているのを見て現物を保有し続けt年末に精算すれば2,000円の利益が出来ると思い、t年初時点で石油現物を1単位買い、石油先物を1単位売った。

以下に、t期に現物を価格10000で1単位購入し、t+1期精算の先物を価格12000で1単位売却する場合の売買処理を表にまとめました。なお清算時点の現物価格=先物の精算価格とし、SQとします。

時点売買物売買価格売買数量現金流
t期現物10000+1-10000
t期先物12000-1+12000
t+1期現物SQ-1+SQ
t+1期先物SQ+1-SQ

この場合、t+1期時点の現物売買益は(SQ-10000)となり、先物売買損益は(12000-SQ)となります。

例えば、SQ=5000だとすると、現物売買だけでは5000の損失が出てしまいます。一方先物売買損益で7000の利益が出るため、差引利益は2000円となります。

SQ=11000とすると、現物売買1000の利益で、先物売買で1000の利益、こちらも計2000の利益です。

SQ=20000とすると、現物売買は10000の利益ですが、先物売買は8000の損失で、従って計2000の利益です。

このように、精算価格=現物価格かつ清算と現物売却を同時点で行う限り、利益は(先物価格ー現物価格)になるのです。

この取引戦略は、現物を保有したまま将来の価格変動リスクから保護する方法として一般的に使用されます。t期に現物を購入しており、t+1期に先物を売却することによって、将来の価格変動によって生じる損失を補償することができます。例えば、もしt期に先物の価格が現物よりも低い状態の場合、将来的に現物の価格は減少する可能性がありますが、予め先物の売却によってその損失をカバーすることができます(しかし先物価格ー現物価格分の損失が確定します)。同様に、先物の価格が現物よりも高くなった場合、現物の価格は上昇する可能性がありますが、先物の売却によってその利益を確定することができます。

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