今回は、「〇日前高値安値ブレイクアウト」手法の弱点と対策についてです。
高値安値ブレイクアウト手法について
高値安値ブレイクアウト手法は、注目される過去高値安値をブレイクアウトする動きに便乗する手法を指します。
注目される過去高値安値には、トレーダーの売買ポジションやストップロスが多く蓄積されています。
これらの過去高値安値を価格が超えると(ブレイクアウト)と、ストップロスによる売買ポジションの反対注文の勢いでさらに価格が続伸する傾向があります。(事象としては、いわゆる「踏み上げ」)
高値安値ブレイクアウト手法は、この続伸する傾向に優位性を見出しトレードを行う手法です。
なお、過去〇日前の高値安値を表示するインジケーターも存在します。

Trading Viewでは、「Previous Day High and Low」というインジケーターにより、前日の高値安値をチャート上に描画出来ます。
(前日に限って記載しておりますが、2日前でも3日前でも仕組みは変わりません。)
高値安値ブレイクアウトの弱点
高値安値ブレイクアウトの弱点は以下の点です。
- 高値安値自体は「注目される売買ポイント」に過ぎない
- 高値安値を超えたからと言ってブレイクアウト後価格が続伸するかは分からない=ダマシに会う
注目される高値安値を定義するだけで、高値安値ブレイクアウト手法完成としてしまうと、高値安値で反発乃至ダマシにあうことも多く勝率が低くなってしまいます。(高値安値自体の売買ポイントとしての優位性は高く、このポイントで行うトレードは一度当たりのリスクリワードが高い、と考えることは出来ます)
ブレイクアウトを見極めるための対策が必要となってきます。
ブレイクアウトを見極める対策
ブレイクアウトを見極めるための対策として、以下2案によるアプローチを考えます。
- ブレイクアウト時には出来高が増えると仮定する(出来高インジケーター併用)
- 長期トレンドに沿ってブレイクアウトすると仮定する(長期トレンド並行監視)
1.出来高インジケーター併用

前述チャートを拡大し、かつ出来高インジケーター「Extreme Volume」を並行して表示しました。
計4回のブレイクアウトが発生し、1回目が上方ダマシ、2-4回目が下方ブレイクです。(図中〇)
出来高インジケーターと合わせて見ると、4回いずれもブレイクアウト直後の出来高は移動平均値よりも上回っています。
程度差ではありますが、1回目(ダマシ)がそれほど出来高が増えていないのに対して、2-4回目の方が急激に出来高が伸びている、と見ることが出来ます。
前日高値安値に実際に、精算される売買ポジションが溜まっており「踏み上げ」が発生するのであれば、ブレイクアウト時に出来高が急増するはずである、という仮定に基づいた仕組みです。
2.長期トレンド並行監視

こちらは、より上位足のトレンドを確認するため4時間足(元が15分足のため)を並行表示しています。
ダウ理論的トレンド把握方法によれば、前述チャート(7/28-30)期間は既に4時間足では下降トレンドに突入していたと見ることが出来ます。
トレンドに反する方向へのブレイクアウトはダマシであり、順する方向へのブレイクアウトは続伸すると仮定して考えた場合の仕組みです。
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