みなさん、こんばんは。今回伝えたい内容は何かと言いますと、トレーリングストップとピラミッティングです。
いずれも自分のポジションが含み益を出している時に、さらに利益を伸ばすためのワザです。
本記事では以下のように定義することとします。
- 前提条件… 既に持っているポジションが含み益を出している中で、水平線等重要な価格帯をブレイクした時
- ピラミッティング… 前提条件のもと、既に持っているポジションはそのまま保持しつつさらに新しい根拠(水平線等ブレイク)でポジションを積み増すこと
- トレーリングストップ… 前提条件のもと、既に持っているポジションについて、もともとのストップロス注文を、新しい根拠をもとにしたストップロスに修正すること
これは、よく考えたらもっとポピュラーなナンピンやストップロス外しの裏返しですね。
- 前提条件… 既に持っているポジションが含み損を出している。
- ナンピン… 前提条件のもと、価格の動きが反転すると考えてポジションを積み増すこと
- ストップロス外し… 前提条件のもと、ストップロスを割った後に価格の動きが反転すると考えてストップロスを外す又は損失方向に動かすこと
文章で並べてみると、含み益を伸ばすピラミッティングなどは根拠をもとに実行する理性的な行動であるのに対して、含み損を拡大させるナンピンなどは根拠のない感情的な行動であるということが分かります。
FXはトレードルールそのものの精度よりも、如何に感情を排除し大衆心理と異なる方法を取るかや、如何に上手く資金・ポジション管理をするかが重要と言われます。そのまま今のトレードルールに織り込めることがなくとも、ピラミッティングという考え方があることを知っておくことはFXの上達に繋がると思います。
前置きが長くなりましたが、以下、「トレーリングストップとピラミッティングの使用例と使用環境の見極め方」について過去チャートを交えながら私見を説明します。
トレーリングストップ、ピラミッティングの使用例
トレーリングストップとピラミッティング・が機能する相場の例として、ユーロドルの2020年日足過去チャートを持ってきました。

移動平均線の上下とダウ理論を使ってトレンド認識を行っています。1年通して上昇トレンドが続く局面ですね。
この局面において、
- 水平線ブレイクの都度買エントリー
- ストップロスをブレイクした日足の最安値におく
とトレードルール自体は非常にシンプルですが、そこにピラミッティングとトレーリングストップという概念を加えています。つまり、水平線をブレイクする都度ポジションを積みまし、かつ決済はストップロスで行うこととし、どこかのポジションがストップロスになった時点で全て手仕舞いとなります。
この場合、最後にストップロスにかかった買いポジション③は損失で終わっていますが、一方で最初の買いポジション①はリスクリワード12近く利益を伸ばせています。
ということで、もはや言わずもがなな感じですが、ピラミッティングとトレーリングストップは一方向に長く続くトレンド相場で有効に機能します。
使用環境の見極め方
とはいえ、さすがに都合の良すぎるチャート部分を引っ張ってきてしまいましたね…

先ほどのチャートの続きの部分、2021年のユーロドルはどうかというと、100SMAを割ってトレンド転換したと見せかけ、反転上昇、グズグズした動きを続けましたね。
こんな中でピラミッティングとか言っているとまあ負けます。せっかく利益が出ても、そのままダラダラ保持していると価格が反転して含み益が損失に変わってしまいます。
ただ水平線を抜けたところでピラミッティングしていくのではなく、使用環境を見極めるようにしましょう。例えば以下のような感じ。
- 一番初めに100SMA+水平線を割った足でピラミッティングする。(図中左の赤丸)
- 上記の流れでつけた最安値を再びブレイクしたところでピラミッティング(図中右の赤丸)
- 逆に、十分に上がり(下がり)切らない後の、急なトレンド転換後の水平線ブレイクではピラミッティングしない。(図中青丸)
勿論、あくまでピラミッティングを考える際の判断基準であり、普通のリスクリワードいくらのトレードは如何様にでもやり方はあると思います。
大事なのは、「そのまま価格が一方向に進むのではないか?」と考えるプレイヤーが多い状況でのみ、ピラミッティングを考える、ということです。
まとめ
トレーリングストップとピラミッティングはトレンドが一方向に進んでいるときに合わせて利益を何倍にも膨らませられる手段であることが伝わったかと思います。
一方で、トレンドが一方向に進み続けること機会自体が非常にまれです。(日足で見られる流れは年1回くらいでしょうか)ピラミッティング用のルールを持ってチャンスを逃さないようにしましょう。
ではまた。
コメント