今回は「レンジ相場」で、相場の特性に応じたトレードを仕掛けて勝てる根拠について整理します。
レンジ相場について
FX取引においてレンジ相場とは、一定の値幅(レンジ)で価格が推移している相場のことです。
~(中略)~レンジの上限に価格が近づくと上値が重くなり、レンジの下限に価格が近づくと底が硬くなりやすいといえます。レンジ相場の時は、レンジの上限に価格が近づいたら売り、レンジの下限に価格が近づいたら買いという戦略を立てることが可能です。
また、レンジ相場を抜けると価格が大きく動きやすいため、レンジ相場で取引をする際はストップロスも必ず設定するようにしましょう。
OANDA JAPAN様>レンジ相場とは?見分け方や取引手法、おすすめインジケーターを紹介
上下2つの特定の値幅を往復するレンジ相場というのは実際のチャート上では滅多に確認されず、上記引用元OANDA JAPAN様ページでも、例として移動平均線の傾きをもとにレンジ相場を認識する方法が紹介されています。


つまり、レンジ相場とは「ある程度の期間、一方向への価格の動きがなく、停滞した相場(安定した相場ともいえる)」のことを指すと解釈します。
レンジ相場で勝てる根拠
筆者私見として、レンジ相場で勝てる根拠は以下の通り整理します。
- ファンダメンタル要素に変更がない限り、本来価格は安定的(単一)なものである
- 価格が上下特定の方向に伸びるという市場コンセンサスがない限り、価格は安定し平均的な値に回帰する(長期移動平均線の値など)
- 「価格が安定的である」状態が続けばそれを維持しようと、一定の価格乖離に対して押し戻そうとする力が働く
このような前提がなりたつ場合、一定の価格乖離を狙い逆張りトレードすることが理にかなっていると言えます。
レンジ相場に逆らうトレードについて
一方で、常に売買は反対する目線を持つプレイヤー同士で成り立っています。
レンジ相場に逆らうトレードの根拠についても以下の通り整理します(こちらも筆者私見)。
- (レンジ相場が継続している場合)レンジ相場の中央から一定の価格乖離したポイントには、そこをストップロスとする売買ポジションが溜まっている。
- これらが精算される(踏み上げ)勢いでトレンドが発生する
- このトレンド発生の初動を捉えるため、あえてレンジ相場内でブレイクアウトを狙うトレードを仕掛ける
レンジ相場のまとめ
上記勝てる根拠と反対トレードの性質を考慮して、以下の通りレンジ相場についてまとめます。
- レンジ相場とは、停滞した相場であり、一定の価格乖離を押し戻す力が働く
- トレンド初動を捉えようとする反対プレイヤーのポジションがレンジ相場で得られる利益の源泉
- いずれポジションが積み上がり、決壊するとトレンドが発生しレンジ相場が終了する
上記整理から得られる示唆としては以下の通りです。
- レンジ相場が長引くほど、機能しなくなる可能性が高くなる
- 積みあがったポジションを狙う反対プレイヤーが多くなれば、レンジ相場は決壊する
- レンジ相場はポジションの積みあがった方向に決壊する(以前のトレンド方向に沿って決壊するわけではない)
レンジ相場が継続する時間、決壊するタイミング、などはいずれも定量的に表せるものではなく、相場の雰囲気を表す指標(例えば「出来高」等)と絡めて考える必要性が高そうです。
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