今回の記事は、「RSIの使い方」についてです。
以前、過去記事でRSIの計算式について整理しました。今回は、RSIの計算式から見える弱点と、それに基づいて考察されるRSIの運用方法「順張り~ダイバージェンス」について紹介します。
RSIの弱点
RSI(標準的な設定期間=14とします)の計算式については以下の通りです。
- RSI = A ÷ (A+B) x 100
- A = 設定期間中の値上がり幅
- B = 設定期間中の値下がり幅
非常にシンプルな計算式が故に、RSIには2つの大きな弱点が存在します。
それはつまり、「反転しなくともヨコヨコが続けばRSIの値が正常化してしまうこと」
です。
ヨコヨコでRSIが正常化すること

これは単純な話で、価格が急上昇してRSIが70以上(30以下)になったとしても、
その後14期間価格がヨコヨコ(値上がり幅=値下がり幅)するだけでRSIは50に戻る、ということです。
RSIを逆張りで使って勝てない理由は結局のところ、これに集約されると思います。
RSIが一度70以上(30以下)になることは、そこまでの14期間の価格系列に強い相関性がある(つまり、上がり続けている、下がり続けている)ことを示している、ということは事実です。
しかしその後RSIがどうなるかについては、実はそこまでの展開と何の関係もないのです。
また加えて言えば一度トレンドが発生した後、即V字反転して全戻しになることなんてそうそうありません。RSIが一度70(30)を超えたら、ヨコヨコして正常化、その後再度上昇(下降)ということの方が多いと思っておいた方がいいのです。(まさに上図のように)
この弱点を踏まえてRSIの使い方をまとめると、
「70(30)を超えて戻ってきたところでエントリー、30(70)まで到達したらクローズ」してはいけない、ということです。
RSIの運用方法
では、どのようにRSIを運用するかというと、ずばり
「RSIが始めて70(30)超えた際にトレンドを認識して、順張りする」
ということになります。
これだけだと、クローズの手段が他の手段に頼ることになってしまうので、
クローズ基準を「ダイバージェンス*」発生時、すなわちトレンド減速の傾向が見えた瞬間とします。
これで入りと出がはっきりします。
*ダイバージェンスについて、FXメガバンク様ページが大変参考になりましたのでリンク引用致します。そもそもRSIの使い方についても大変丁寧にまとめられています。
さらに、トレンド発生を確認する補助インジケーターとしてボリンジャーバンド2σを表示させた例として、例えば以下図のようになります。(トレンド確認はダウ理論でも、チャネルでも何でも良いです)

上図のように、RSIが70に到達し、かつボリンジャーバンド2σを抜けた*後に、トレンド継続し大きく価格が続伸するようなパターンが存在します。
そしてその後、売りが混じりはじめ、レートは上がってもRSIが落ちて来たところでクローズすれば、美味しいところだけ獲得できる、というわけです。
(追記:筆者としては前述の通り、RSIが戻ってきてもトレンド全戻しとならず、ヨコヨコするパターンも想定に入れる必要があると考えています。そのため、ダイバージェンスでトレンド逆張りすること自体は推奨しないというスタンスです。)
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