今回は、RSI(相対力指数/Relative Strength Index)に関する話。
RSIは代表的なオシレーターであり、皆さんも一度は調べたこと、触ったことがあるかと思います。
RSI(相対力指数)は、一定期間の相場における「値上がり幅」と「値下がり幅」を活用して、値動きの強弱を数値で表し、買われ過ぎなのか売られ過ぎなのかを判断する手法です。
一定期間において、「上昇した日の値幅合計」と、「下落した日の値幅合計」をあわせたもののうち、前者の比率を表します。例えば、比率が上昇日7:下落日3の場合、RSIは70ということになります。
値上がり幅の比率が高い=相場の上昇しようとする力は強いといえます。そのような中でも、比率が高すぎると買われ過ぎと判断され、逆に比率が低すぎると売られすぎとなります。つまり、相場が上昇し続ければ、買われ過ぎと判断し売りを考え、逆に下落し続ければ、売られ過ぎと判断し買いを考えるというものです。
その強弱を数値化したRSIで判断することになります。
https://www.jibunbank.co.jp/products/foreign_deposit/chart/help/rsi/ auじぶん銀行より
教科書的には、RSIは「30を下回ったら買い」、「70を上回ったら買い」と言われます。
ただ、恐らく単純にそのようにやって勝ち続けている人がいないのもまた事実です。
何故、教科書通りにやって勝てないんでしょう?
- RSIは有名なだけで本当は役に立たないツール?
- 30じゃなくて20以下、70じゃなくて80以上を見ればいい?
- 普通に使うんじゃなくて、RSIダイバージェンス*を見ればいい?
*価格は最高値(最安値)更新⇔RSIの値は高値(安値)切下げが同時に発生する時
一部「戦術的には妥当」なことを言っていたとしても、そもそも本質をとらえていません。
RSIの本質は「温度計と同じ」です。
トレンドを季節、RSIを温度計に例えると
教科書的にRSIを使っても勝てない理由は、「RSIの30,70だけで流れを捉えようとしてる」ことに集約されていそうです。
理解のために、「トレンド」を季節、「RSI」を温度計に例えましょう。
例えば、温度計が「35度」を指していたら、今は「夏」だと思いますよね?
でもこれは「30度を超えて35度に達した(そしてさらに上がっていく?)」んでしょうか、それとも「40度から下がって35度になった(そしてさらに下がっていく?)」んでしょうか。
温度計からだけではわかりませんよね?


例えて考えてみると、RSI70(あるいは70を超えたから)で売る、というのがどういうことなのかなんとなく伝わったのではないかと思います。「35度になった(あるいは35度を越えた)からこの後は気温が下がっていくだろう」と言っているのと同じだ、ということです。
RSIを「逆バリ」のツールだ、いやいや、「順バリ」のツールだ、という議論はナンセンスです。
そもそもRSIは、「温度感」を示す「温度計」に過ぎない、ということです。
じゃあRSIをどう使う?場合分けのツールとして使う
ここから先、どうRSIを使うかというのはあなた次第ではありますが、考え方の参考として、
「RSIを場合分けのツールとして使う」ことを考えてみてはいかがでしょうか。
簡単にいうと以下の通りです。(上下逆の場合70を超えた=30を下回ったと読替えてください。)
- RSIが70を超えた⇒他環境認識と照らし合わせて、トレンドへの順バリを考える
- 季節でいえば、「夏の盛り、これからさらに暑くなる」感じです。
- RSIが70を超えた後下回った⇒他環境認識と照らし合わせて、トレンドへの逆バリを考える
- 季節でいえば、「夏が終わり、秋に入って涼しくなる」感じです。
- ただし、一時的に「涼しくなった」だけじゃないか要注意。70を超えた期間も重要。
- RSIが70を下回ったあと、70-30の間⇒他環境認識と照らし合わせてこれまでと逆のトレンド発生していれば追随、というところですが…
- 基本的には「夏から秋になって涼しくなる」はずです。
- が、「暑さがぶり返す」かもしれないし、いつ入るのかを考えるのは難しいでしょう。
本日はここまでです。
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