サワー原油と原油の違いについて

日記/メモ
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今回はコモディティ商品に関して、原油とサワー原油の違いをメモします。(マニアックな話)

サワー原油とは

サワー原油は、ほとんど通常の原油と同じなのですが、主な違いは硫黄含有量です。通常の原油は、比較的低い硫黄含有量ですが、サワー原油は高濃度の硫黄を含んでいます。

この硫黄含有量の違いは、燃料の品質に影響を与えます。サワー原油から作られる燃料は、通常の原油から作られた燃料よりも硫黄酸化物の排出量が高くなります。これは、環境への影響を考慮する上で重要な問題であり、燃料の品質規制に反映されています。

また、サワー原油の処理には特殊な技術が必要であり、これにより通常の原油に比べて生産コストが高くなる傾向があります。そのため、サワー原油は、通常の原油よりも高価であり、需要と供給の関係によっては価格が大きく変動することがあります。

サワー原油の産地

サワー原油は世界中で産出されていますが、主に中東地域の産油国が有名です。中でも、サウジアラビア、イラン、イラク、クウェートなどが大量のサワー原油を産出しています。

他にも、北海油田の一部や、メキシコ湾岸、ベネズエラ、ロシアなどでも産出されています。ただし、これらの地域で産出されるサワー原油の質は異なるため、石油市場においては地域や産出国による価格差が存在します。

なお、近年では、シェールオイルからもサワー原油が生産されるようになっています。しかし、これらの原油は従来の原油に比べて硫黄含有量が高いため、より高度な精製技術が必要となることがあります。

原油先物市場との関係

中東地域は世界的な原油産油国として有名です。しかし、実際コモディティとして取り扱われているのは、米国WTIや欧州Brentなのです。原油産出量に圧倒的な差があるにもかかわらず、WTI,Brentが人気なのには、以下のような理由があります。

  1. 海上輸送に適している:WTIやBrentは、比較的軽くて粘性が低く、海上輸送に適しています。これに対して、サワー原油は粘性が高く、硫黄含有量が多いため、海上輸送に適していないことがあります。
  2. 市場規模が大きい:WTIやBrentは、市場において広く流通しており、取引が行われやすいため、原油市場において指標として認知されやすいです。
  3. 精製に適している:WTIやBrentは、比較的低硫黄で精製に適しているため、精製所によって利用されることが多く、需要が高いことがあります。

一方、サワー原油は硫黄含有量が高く、品質のバラツキが大きいため取引において価格形成が困難であるとされています。コモディティ商品はある程度画一的な品質でないことには同じ市場で取り扱えず、市場が分散してしまうからです。

また、市場において流通している量が比較的少ないため、市場において指標としての認知度が低くなっています。これらの理由からサワー原油は原油先物市場においてあまり取引されておらず、WTIやBrentが主要な原油指標として使用されています。

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