今回は、株価等チャートでなく、統計指標を移動平均線とボリンジャーバンドで分析することの意義について説明しようと思います。
また、本記事に連ねる形で今後個別統計指標についてヒストリカルに比較する記事をまとめます。
株価でなく統計指標を分析する意味
移動平均線とボリンジャーバンドは、株価等の時系列データの分析に頻繁に使用されます。
以前の記事で、株価等市場価格はべき分布で推移すると書きました。
このべき分布的急変動が起こるのは、市場参加者の人間心理が大きく影響しています。価格が急伸すれば、買い遅れてはいけないとばかりに飛びつき買が発生しさらに価格は急伸、逆も然りです。
また、そもそも市場価格のチャートに移動平均線とボリンジャーバンドを用いて分析することが無意味だとする理由として、例えば、
・移動平均線を上回っている時に、上昇トレンドと見て買う人もいれば移動平均線に収束すると思って売る人もいる
というように事象をみた個々人の思惑が影響し、結果として次に何が起こるか逆に予想がつかなくなるということが考えられます。
一方市場価格ではない類の統計指標は、市場参加者の売り買いによって結果の変わる指標ではないですから、そうした意味で素直にインジケーターの指し示す結果を解釈することが出来ます。
例えば、ニュースで失業率や、感染症の感染者数グラフなどを移動平均線で分析しているケースを見たことがあるかと思います。そして単純に、この場合は移動平均線を下回れば事態の鎮静化傾向が見られる、と素直に考えられるはずです。統計指標に対して、逆張りする人の思惑が影響を与えることはないからです。
先行指標を分析し、市場価格の先読みをする
さらには、景気動向指数の先行指標と呼ばれる統計指標を分析すれば市場価格の先読みに役立ちます。
これがいわゆるファンダメンタルを使った先読みであると言えます。
具体的には、先行統計指標として、日本では景気動向指数や企業業況判断指数、米国ではISM製造業景気指数や消費者信頼感指数などが挙げられます。これらの指標は経済の先行きを示すため、移動平均線やボリンジャーバンドと組み合わせて使用することで、より正確な予測が可能になります。
統計指標を分析する際の移動平均線とボリンジャーバンド
統計指標を分析する際の移動平均線とボリンジャーバンドの使い方は、通常使う場合と特に変える必要はないでしょう。
分析の方法についても特段、通常と変わりありません。
・最新の統計値が移動平均線(例えば12か月平均)をクロスしたら、推移傾向が変わる
・最新の統計値がボリンジャーバンドσを超えたら、大きな環境変化が予測される(逆に言えば、ボリンジャーバンド内に収まっている限り、大きな環境変化は生じていないと考えるべきでしょう)
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