ボラティリティについて【ドル円月間最大14.73% 日経最大39.15% ビットコイン最大112.10%…】

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マーケットに関する記事を読んでいると、「為替市場はボラティリティが低くて、株式市場は高い」とか「ビットコインは高ボラティリティで利益獲得のチャンスが多い」といった記載を目にすることがあります。

ボラティリティとは「一定期間の価格の値動き幅」のことで、%で表します。

意識的に調べる機会の少ないボラティリティについて、FX各通貨ペアや、またそれ以外の日経やビットコインなどメジャーな金融商品について調べてみようと思い、今回整理してみた次第です。

今回記事は以下のような流れで進みます。

  1. FX、株式、ビットコインの月間ボラティリティ一覧と考察
  2. クロス円/クロスドルの比較と考察
  3. まとめ

月間のボラティリティ(FX、株式、ビットコイン)一覧と考察

以下分析元データはいずれもTrading Viewから取得しています。

ボラティリティの計算方法

今回記事においては、ボラティリティを以下の計算式で算出しています。

1期間のボラティリティ = (高値 ー 安値) ÷ 始値

例えば、ある一期間内において、ドル円の高値110円、安値90円、始値100円と仮定します。

この場合、ボラティリティは(110-90)÷100となり、20(単位:%)です。

高値と安値の差が同期間中で最大の値幅になるため、こちらを参照しています。

厳密には異なりますが、これはTrue Rangeという指標の計算方法に近いものとなっています。

なおボラティリティには、標準偏差を用いたものもあり、ボラティリティという言葉が「一期間中の値幅」、「標準偏差」どちらの文意で用いられているかには注意が必要です。

標準偏差は有名なインジケーター、ボリンジャーバンドで簡単に計算、チャートに図示することが可能です。

FX、株式、ビットコインの月間ボラティリティ一覧

銘柄集計期間データ数最大ボラ(1か月あたり)最小ボラ平均ボラ中央値ボラ
ドル円2002/5-2021/923314.73%1.19%4.08%3.65%
ユーロ円2002/5-2021/923324.72%1.50%5.65%5.15%
ポンド円2002/5-2021/923326.94%1.34%5.15%4.54%
豪ドル円2004/6-2021/920835.78%1.93%6.17%4.87%
ユーロドル2002/5-2021/923317.11%1.32%3.97%3.47%
ポンドドル2002/5-2021/923314.66%1.21%3.99%3.61%
豪ドル米ドル2002/5-2021/923325.40%1.41%5.10%4.37%
日経2251984/1-2021/940839.15%1.72%8.90%7.79%
ダウ指数1984/1-2021/940839.89%1.82%6.89%5.72%
ビットコイン2016/1-2021/969112.10%8.54%37.17%32.51%

いかにデータ考察を記載します。

ボラティリティは為替<株<ビットコイン

為替は通貨、ひいては国の信用力の強弱関係を示すものです。メジャー通貨である場合、国の信用力自体がそこまで大きく変動しないため、ボラティリティも比較的小さい範囲に収まります。

一方でビットコインは、通貨、株に比べると信用力が低く、その分リスクが大きい=価格のばらつきが大きい商品であるということが分かりますね。最大112.10%という数字にも驚きですが、平均、中央値ともに30%台という恐ろしくリスクの高い金融商品であるということです。

また、思っていたよりも株式のボラティリティは為替よりも大きくなかった、ということに気づきました。ダウ指数などはメジャー通貨ペアと比べてもそこまでボラティリティが高くないですね。やはり代表的な指数は信用力が高く、その分ボラティリティも通貨並に抑えられる、ということでしょうか。

そのほか、1か月間で見た時のポンドのボラティリティはそこまで他と比べて高くないというのは面白い気付きでした。ガチャガチャした激しい値動きをするのがポンド=ポンドはボラティリティが高い、と思い込んでいたのですが、むしろ豪ドルの方が(またユーロもわずかではありますが)ポンドよりボラティリティが高いということが分かりました。

クロス円/クロスドルの比較と考察

また、「クロス円よりもクロスドルの方が(あるいは逆)値動きが激しくないか?」「そもそもクロス円とクロスドルって相関して動いているのか?」と個人的な疑問があり、クロス円/クロスドルのボラティリティ比較をしてみました。

これらの比較からわかったのは、(個人的には)意外にもクロス円の方がクロスドルよりもボラティリティが高い傾向にある、ということです。ポンドなどは大体の期間でクロス円の方が高くなっていますね。

また、ポンド、豪ドルに関してはグラフの形状が概ね一致したのに対してユーロはあまり相関の感じられない動きをしていることが分かりました。ユーロドルがきれいなトレンドを形成しているのにユーロ円はグズグズした動きをしている(逆もしかり)、というあるあるパターンが気のせいじゃなかったとわかるのも面白いですね。

まとめ

月間で為替、株式、ビットコインのボラティリティを比較してみたことで以下のようなことが分かりました。

  • ボラティリティの強弱関係は、為替<株式<暗号通貨(ビットコイン)。ただし、為替と株式のボラティリティ大小関係は、長期間で見るとそこまで大きな差はない。
  • 短時間で激しい値動きをするペア(ポンドなど)も、1か月あたりでみるとボラティリティが高いということではなさそう。
  • クロス円、クロスドルで比較した際相関性の高い通貨もあれば、相関性の低い通貨もある。相関性の低い通貨で同じ方向のトレードを仕掛けない、というのも一案?

今回の記事では、ヒストリカルなボラティリティ分析に終始してしまいましたが、そもそもボラティリティを把握しておくことは実際にトレードをする上でも重要です。そちらについても別途要点を抑えて記事を書いてみたいと思います。

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