3月に入ってから、ウクライナ政情不安により、連日原油先物(WTI:West Texas Intermediate)価格が連日高騰を続けています。
その勢いは強く、過去最高値である「2008年7月」の「140ドル」をいずれ超えていきそうだ、ということ。
その2008年時点では何が起こって、その1年後どうなったんだろう。というのを気になって調べました。
WTIとインフレ率と10年利回り
原油高騰と、高騰による景気への影響(10年利回りとインフレ率)について、以下表のとおり。
2008/7/1 (最高値) | 2009/7/1 (1年後) | 2009-2008 差し引き | 2022/3/9 (今) | 2023/3/9 (1年後) | |
WTI(USD) | 140 | 68 | -72 | 120 | ? |
10年利回り(%) | 4.0% | 3.6% | -0.4% | 1.9% | ? |
インフレ率(%) | 4.0% | -2.0% | -6.0% | 7.5% | ? |
特に因果関係がどう、というのではないのですが、以下が特徴的ですね。
- 2009年は2008年と比べて大きくインフレ率が下がっている
- 2022年現時点は2008年と比べて10年利回りは低いが、インフレ率が高い
以下、月足チャート画像(出典:Trading View)
(WTI)

(米国債10年利回り)

(米ドルインフレ率)

今と昔の違い:当時と今では実需給バランスが異なる
じゃあ来年の今ころどうなっているんでしょうね?
リーマンショック前後のように、インフレ率が下がり利回りは変わらない展開になるのでしょうか。
どうなるのかは正直分かりませんが、原油の実需給バランスが今昔で異なっていることだけは押さえておいた方がよさそうです。
- 2008年の原油高は、実供給不足というよりも、サブプライムローン問題顕在化が原因。 投資家が伝統資産(株等)から商品(原油等)へお金を移した。(出典:エネルギー白書2016)
- 一方、今2022年時点の原油高騰は、ロシア由来原油の供給不安が原因。
また、来年の今ころにでも振り返ってみたいと思います。
※追記:この記事書いた直後、その日の終わりにはWTIは100ドル台まで暴落。実に16%近く下げました。本当に分からないですね。需給バランスが解消したら値段が急落するなどとても素人に予想のつかない世界です。
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